石垣調査から約15年、伝後藤邸は進化したか?
整備されず藪に閉ざされていた後藤邸も、竹藪の切り開きによりようやくその一角を目にする事ができるようになりました。しかし今までこの場所が全く整備されてこなかかった訳ではなく、平成二十年度から二十三年度まで四年をかけて行われた県教委による石垣基礎調査に伴い、木竹の伐採が実施されています。伝後藤邸付近については、平成二十(2008)年の10月に要所の竹の伐採が行われました。調査結果については、観音寺城石垣全体分布図 を併せてご覧ください。
この伐採で様変りした伝後藤邸に感動し、観音寺城|散策の備忘の本谷筋、後藤邸付近の竹が消滅 1 と本谷筋、後藤邸付近の竹が消滅 2 で紹介しています。以下はその記事からの写真の引用です。全て 2010年2月21日の撮影です。
写真はクリックで拡大できます。
そしてその10年以上経った 2019年頃から、このエリアに取り着く道の整備を開始し、2020年が終わる頃には2つの壮大な伝後藤邸石垣が姿を現しました。
しかし整備を実施したのは郭の周りと通路だけです。郭の内部はほぼ手つかずの状態ですので、だいぶ竹が増殖しています。また日当たりが良くなったため雑草の勢いが増し、夏場は足元が見ないほどに草が生い茂ります。さらに、通路は石段の痛みや石垣からの落石で足元の悪化が進んでいます。
これら事から、郭の外周りについては自信をもって進化したと言い切れますが、郭内部や通路の環境は15年前よりあきらかに劣化しています。いちど整備を終えても、維持管理を続けない限り環境は保てません。この維持管理をどのように進めていくのかが最大の課題であるいえます。
当方としては、適切なタイミングで継続的に草刈り作業を行い、あわよくば、少しずつでも環境を進化させていきたいと考えているところです。